< 閲覧Guide >
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スマホでは、私の場合は「Adobe Reader」をインストールしたらウマク開くことができました.
第1章 極限(クリック)
ここでの最終目的は「無限級数の収束・発散」だが、それには、無限数列の収束・発散について十分に習熟していなければならない.つまり、必ず次の2段階の手順」 を踏まねばならないのです.どうするかというと、n を有限である自然数として
(i) 無限級数の「第 n 部分和」 をn の式で表す.
(ii) n → ∞ として「上記の部分和」の収束・発散を調べる.
このとき、第 n 部分和が有限確定値 S に収束するならば、その 「極限値」をこの「無限級数の和」という.これが正しい定義です.
ところが生徒さんの方は「和」というコトバを使うものだから、どうしても「タス」というイメージが抜けない.ここはくれぐれも注意してください.「無限級数の和」は「極限値」であって、「タス」という行為が入り込む余地はないのです.
いずれにしても「無限」 というわかりにくい数学的概念をに上記のように2段階に分けて迫った知恵に感動してください.
第2章 微分法とその応用(クリック)
この前半は延々と公式の解説や証明 が続き、書く方も読む方もツライものがあります.
その上で、第1のヤマは 「ラジアンの導入」 と 「無理数 e=2.71828 ・・・の導入」 でしょう.これらは 「指数・対数、三角関数 の微積分」 の土台だからシッカリ読み込んで下さい.
第2のヤマは 「単調増加と f'(x)>0 の関係」 です.
高校では接線の傾きで説明するようだが、ここでは大学以上でやるように平均値の定理を用いてキッチリと説明しました.
高校生にもなって「赤ちゃん言葉」を使うことはなかろうと思うことが1つの理由、それとこの方法では説明しきれないことが起こってくるからです.
第3章 積分法とその応用(クリック)
大学以上では、定積分は無限級数で定義されているが.現行の指導要領では 「 F(b)-F(a) (原始関数の増分)」 と定義されています.これは、「行列と1次変換」がはじめて導入された
1970(昭和45)年告示、1973(昭和48)年実施
の改訂からですが、ボリュームの都合とはいえ、勝手に定義を変えられては困ります.
さて、この章というより、これは微積分全体を通じて最大のヤマ場ともいうべきでしょうが、ニュートンとライプニッツがほぼ同時期に発見したといわれる微積分学の基本定理があります.大いにに感動して下さい.
なお、この本には微分方程式が入っています.これは、現行の指導要領の外ですが理科系に進学した場合、入門用として多少お役に立つかも知れません.
<追記>
ちなみに私の場合は 、指導要領の改訂でいうと
1955(昭和30)年告示、1956(昭和31)年実施
の改訂の最後の年代で、この改訂までは数Ⅲの微積分は整関数のみで.指数・対数、三角関数 の微積分はナシ.ベクトルさえ入っていませんでした.
坂の上の雲を見上げる出発点のベースキャンプにいるようなものです.だから、大学の初年度はあまりのギャップに難渋しました.
今は知りませんが、あの頃はこちらの事情に関係なく先生はドンドン講義を進めたものです.むしろ、それがあたりまえでした.
微分方程式がガンガン出てくる 「物理化学」 の講義に、「こういうことがすらすらわかったらこの科目がどんなにか面白かろう」と思ったものです.
指数・対数、三角関数 の微積分やベクトルが高校の教科書に現れるのはその次の改訂
1960(昭和35)年告示、1963(昭和38)年実施
からのことです.今の若者は、少なくともそういうもどかしい思いはしなくてすむはずです.